社会

小池龍之介さんの『もう怒らない』わかりやすく解説レビュー

投稿日:2018年7月30日 更新日:

小池龍之介さんの『もう怒らない』と言う本を読みました。

 

 

 

 

 

 

 

小池龍之介さんは、テレビで見かけたのが最初なんですが、なかなか論理的な考え方のお坊さんだなと思いました。

 

彼の考え方が論理的過ぎるのか、理解するのが結構難しかったりもします。

今回の本は、大きな3つの煩悩のうちの「怒り」に焦点を当ててあるものです。

わたしは、普段はニコニコと穏やかな、どちらかと言うと平和的な人間なんですが、ある一方で、理に合わない事や曲がった事に対して怒りを抑えられないタチでもあります。

多分、怒った事がないと言う人は誰もいないと思いますけど、出来れば人前では自分が怒った場面を見せたくないものですよね。

 

だって、怒りっぽいやつとか、ワガママなやつとか、まるで子供みたいだと、思われるのも癪ですからね。

出来れば、怒りそうな場面でもシャンとしていて、冷静沈着な人だなと思われたいですからね。

 

で、それを解決してくれるのが、この本の中にエッセンスとして散りばめられてあるという事です。

何故、人は怒るのか?

まず気になったのが、わたし達は自分が怒りたいから怒るんではなくて、怒りは嫌なことやストレスを麻痺させてくれるので怒ると言う事です。

何かしらきっかけがあって怒るのですけど、そのきっかけは本人が怒るのとは直接関係ないのです。

そのきっかけとなることが、とても嫌でストレスフルな事なので、それを麻痺させる為に怒っていると。

 

そういう訳なんだと、少々わたしの解釈も入ってますが、怒る訳はそういう心の動きなんだそうです。

それから、自分に対する、自分はこういう人間なのだ、と言うセルフイメージが損なわれる場面

簡単に言うと、他人にぞんざいな扱いを受けた時もそうです。

 

自分が思っている自分は、もっと敬意を払って扱われるべきなんだと、そう本人は思っているらしいのです。

 

ところが、敬意を払うどころかまったくぞんざいな扱いをされたと思うと、それが自分が思い描いている崇高な自分とは違う、と言う現実を突きつけられて、それがストレスになってしまいます。

 

それを麻痺させる為に怒ると。

怒ってしまえば、この嫌な現実を忘れてしまうことが出来る

 

そういう心の働きなんだそうです。

自分は他人に愛されるべき存在

他には、自分はこんなぞんざいな扱いを受ける人間ではないはずだから、それを分からない奴がおかしいのではないか、と言う論理です。

 

自分に不敬な愚かなやつ

こんな嫌な奴より自分は立派なはずだ。

やっぱり自分の方が良い人間だ。

心地よい

 

と言う、ストーリーを妄想して不快さを取り除こうとするのです。

 

結局のところ、やっぱり自分は素晴らしい人間、と言うところに落ち着いて気分が良くなる、と言うか安心する、と言う事でしょう。

 

自分はこの通り、立派な人間。
この現状は相手が愚かだからこうなっているのだ。

 

そう妄想して、現実逃避している訳です。

 

身体的には、この時何が起こっているかと言うと、ストレスは身体に毒なのですけど、脳は刺激的なことが大好きで、静かな刺激の少ないことがとても退屈なのだそうです。

 

脳は刺激的な「怒り」などの負の感情が大好物なので、その刺激を求めてわたし達を怒らそう怒らそうとしてきます。

 

この状態が、怒りたくないのについ怒ってしまう正体なのです

「無我」と言うことについて

ついでに言うと、わたし達が思っている「無我」と言うのはこういうことなのだそうです。

どういうことかと言うと、わたし達は自分を常にコントロールしているつもりでいますけど、実はコントロールされている存在と言う事です。

 

つまり「我は無い」のだと。

 

自分はこういう人間、とわたし達は常々考えて生きてますけど、こういう人間と言うのはすべて妄想で、結局そんな都合のいい自分なんて無い、のです。

自分はこういう人間って、思っていた方がなんだか安心しますし、楽なんです。

 

なんで安心するかというと、もともと人間は、生まれつき病んでいます

自分がやがて死ぬ事を知っているのは、動物の中では人間だけだからだそうです。

人間は病んでいて、常に不安定な生き物ですから、自分はこういう人間で、こういう考えの持ち主である。と思っていた方が心が安定します。

 

だから、普段わたし達は無意識に、自分を自分で装飾して、こんな人間なんですと、外にアピールするんです。

 

他人に「そうだね、キミはそういう人間なんだね」と理解してもらうことで、「自分は間違ってない」と、また安心するからです。

 

話が横道に逸れてしまいましたが、このことは今回の本には書いてありません。

赤ちゃんが泣く、その訳は

話をもどします。

それから、よく怒る人の心情と言うのが、赤ちゃんに例えるとよく分かります。

 

赤ちゃんが眠たい時に、寝かしつけてくれとギャーギャー泣く

愛情の確認を相手にしている

大事に扱ってくれなければ不安になる

 

と言う風に、結局のところ他人が自分に対して、大事に扱ってくれなければ嫌だとか、ストレスになるとか言う事が怒る事のきっかけであって。

それと、他人が自分の事を理解してくれてない事の、淋しさや不安がストレスになって、怒ると言うところもあります。

 

根源的なところでは、自分は敬意を持って扱われるべき素晴らしい人間なはず、と言う思い込みがあることが分かります。

こういう風に、自分の考え方次第で世の中の見え方が変わってくることを、論理的に述べて理解させてくれるところが、この本の妙味かも知れません。

まとめ

○人は、自分を大事に扱って欲しい生き物である。

○ストレスや嫌な事は怒りで麻痺させる。

○脳は退屈なことが嫌い、怒りなどの刺激は心地よいと感じる。

○人は、淋しくて不安な生き物なので他人に自分を理解してもらいたい。

 

怒りのメカニズムを理解したところで、じゃあ、その怒りを静ませる、あるいは怒りの感情に至る前に回避したいとした場合、どういう対策があるのか?

 

そこを見ていきましょう。

対策としてあったのは、例えば怒ってしまった場合、よくある対策としてあるのが、「抑圧」と「発散」だそうです。

 

抑圧は怒りを抑える事で、場を安定させます。

しかし、抑圧された心はストレスが溜まります。

 

発散は、ところ構わず怒りをぶつける事で自分がスッキリする。

しかし、場の関係性は悪化します。

 

本に書かれていた対策は、「抑圧」でも「発散」でもなく、その怒りをただ「見つめる」なのだそうです。

見つめて、「今、わたしは怒っている」とカッコ閉じすることで、客観的な自分を作ってしまうのです。

 

客観的な視点が生まれる事で、急激に怒りは冷めていくのだそうです。

 

ですが、これが言う程簡単には出来ません。

「今、自分は怒っている」「今、自分は怒っている」と何度も、心の中でつぶやいても怒りは収まるどころか、余計に大きくなることがあります。

 

自分がそうでした。

 

「自分は今、怒っている」と言う毎に、自分が怒っている認識が強くなってしまって、結局怒りに飲み込まれてしまう。

怒りなんて見つめられない。

こう思っていました。

 

ですから、わたしの場合は、「見つめ」
ながら少し「抑圧」する方向でやってみました。

 

怒っている自分も認識出来る。

理解は出来ているけど、この怒りを消し去る事は出来ない。

 

だから、自分にこう言い聞かせるんです。

「今は、自分が正しいって思ってるかも知れないけれど、もしかしたら間違っているかもよ」

 

自分をちょっとだけ否定してみるんです。

そうすると、怒りはスッと消えてなくなりました。

 

ホントに面白い程、消えてなくなります。

 

わたしの場合は、脳の刺激の欲しさゆえに怒りの発露がパターン化してしまっている傾向が強いので、脳の暴走を強制的にストップさせた、と言う感じでしょうか。

 

のんびりと見つめていられる程、わたしの脳は大人しくありませんでした。

ただ、本に書いてある通りで出来なかったら、自分流でやってみればいいと思います。

是非、やってみて下さい。





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