投資・経済

倒産の前兆とその過程(後編)

投稿日:2018年5月18日 更新日:

新規事業は難しい

 

また、愚かしいのはその焦りを従業員に吐露してしうというところです。

自分一人では抱えきれず、誰にも言わなかったとしても行動と発言から周りに焦りが感じ取られてしまいます。

そして、必ずとる行動とは新規事業の旗揚げです。本業とは別の事業にその割りを食った分を賄おうという考えです。

そして、そこでまず失敗するのが、どの業態にするのかの選択です。

何故その業態にするのか、果たして説明ができるでしょうか。例えばこうでしょうか。今、それがトレンドである。トレンドって言う事は、競合相手が沢山いるってことでしょう。そこに、何の知識や経験の蓄積もない業者が参入していって果たして勝ち目があるのでしょうか。そういう創造力もないまま軽率に新規事業を行い、当初はその事業に本業そっちのけで傾倒してしまいます。当たり前ですが、本業が疎かになるため新規事業をおこなう前よりも更に業績は落ち込みます。

当然、新規事業が上手く行くはずもなく、一事業を止めてはまた違う事業に手を出す、それを繰り返しながら、結局は事業の運営の為の初期投資や本業から流れた資金などの負債金額は膨れ上がるでしょう。

 

とにかく改革が好き

 

そして、次に行うのが社内の改革です。

とにかく、なんちゃら会議と色んな名前のついた会議が多くなります。そのことによって、それまで事業に注がれていた時間が不毛な会議で消費され生産性を著しく低下させます。とにかく、ここら辺のコスト意識がとても希薄です。先のトヨタの話でもあったとおり、利益を得たければとにかくコストを減らすという考えが薄いのです。

それはそうでしょう。社員はとにかく自分の給与と承認欲求さえ満たされればそれでいいのですから、会社の利益が上がればいいから自分がどんどん仕事しますなんて善良な人間は普通サラリーマンで存在しません。(あくまで持論)

 

会議そのものの意義も、会社の為ではなくそれこそ自分の承認欲求を満たす為の戦場となってしまい、上の者は延々とどうでもいい持論を展開して、下の者はそれを黙って聞いてもんもんとするものや、真剣にそれを信ずる者までいます。ちなみに前者よりも後者の方が何故か出世します。いくら会議が白熱したところで自己満足で終わり、事業の成績には一切反映されません。織田裕二の映画での台詞であったように、「事件は会議室で起きてるんではない。現場で起きてんだ!」と同じように現場で金は稼げるのです。

これら二つの事を繰り返し、だんだんと負のスパイラルに入っていきます。

 

人間の本性の怖さ

 

ちなみに、会社が倒産することが隅々の従業員まで知れ渡った場合、それまで役員に平身低頭で接していた従業員達の態度が一変します。

役員や上司の居ない場所での毒吐きが横行し、有給消化に関しての議論があちこちでなされます。一応、全社員に解雇辞令がなされる訳ですが、綺麗な形での解雇なんてものはほんとに少ないのです。次の会社への紹介でもあればまだましですが、それもない場合はそこの社長は一生恨まれる事になります。何故ならば、社員が路頭に迷っているその様子を尻目に役員はさっさと関係先からの助けを受け、自分達だけ安全地帯にスライドすることもしばしばあるからです。

 

倒産とは、人間の本性を垣間見る事の出来る出来事と言ってもよいでしょう。

 

→倒産の前兆とその過程(前編)





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